Story1-⑤:「再帰的近代化論」からのアプローチ

私たちは、いま、どうして自分の力のみで社会に立ち向かっていかなくてはならないような状況に、おちいっているのでしょうか。

その理由について、近代化がどのように進んできたかという視点から、明らかにしている研究者たちがいます。

そのなかから、ウルリッヒ・ベック(1944-2015)とアンソニー・ギデンズ(1938-)の「現代社会論」をより所にして、前述の「帰属関係のゆらぎの問題」について、色々と考えてみたいと思います。

 

ベックは、ドイツの社会学者です。

彼は、「リスク社会」という新しい現代社会の社会像を提示して、世界的に知られることとなりました。

ギデンズは、イギリスの社会学者です。

彼は、イギリスのブレア政権の政策ブレーンとして、「第三の道」を提唱したことでも、よく名前を知られています。

彼らは、「再帰的近代化論」を提唱します。

ベックは、近代化が「単純な近代化(第一の近代)」から「再帰的近代化(第二の近代)」へと、二つの段階をへて進んできたと説明します。

そして、「再帰的近代化(第二の近代)」によって起きた社会変容について言及していますが、そのなかから、代表的なものを二つ取りあげて説明してみましょう。

それは、「リスク社会」「個人化」です。

 

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