Story1-⑥:科学の発展の皮肉な結果

第二次世界大戦後に進展した「産業(工業)社会」は、さまざまな技術を開発して、私たちの生活を便利にする製品をうみだしてきました。

たとえば、テレビ、自動車、パソコン、スマホなど、あげだしたらきりがありません。

このように私たちが生活するうえで困っていることを、技術革新によって解決してきました。

まさしく、科学の発展の結果です。

 

しかし、皮肉なものです。

その解決策自体が、今度は新しい問題を引き起こすようになったのです。

ウルリッヒ・ベックは、このような動きの象徴的な事例として、1986年にチェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故を取り上げています。

チェルノブイリは、ウクライナの北部にある都市です。

この事故により、欧州の広範囲にわたり放射能汚染が観測されました。

ベックは、「原子力発電所は人類の生産能力と創造力の頂点に位置する」と言っています。

この「近代化の最高段階における産物」が、全世界を不安の底におとしいれたのです。