Story1-⑩:「脱埋め込み」と「再埋め込み」

再帰的近代化(第二の近代)」によって明らかになった社会変容の具体的な現象として、ウルリッヒ・ベックの「リスク社会」と「個人化」をみてきました。

ベックと同様に、「再帰的近代化論」を唱えるアンソニー・ギデンズが主張していることにも、耳を傾けてみましょう。

ギデンズは、「再帰的近代化論」のなかで、多くの論点を提示しています。

そのなかから、「帰属関係のゆらぎの問題」について、大変参考になる考え方を紹介します。

 

それは、「脱埋め込み」「再埋め込み」です。

 

「脱埋め込み」の言葉は、「脱」と「埋め込み」の二つの言語で構成されています。

すなわち、埋め込まれた状態から脱け出すことを意味します。

それでは、「再埋め込み」はどうなるかと言いますと、「再」と「埋め込み」で構成されていますので、再度埋め込まれた状態になることを意味します。