Story1-④:帰属関係のゆらぎの問題

「成長型社会モデル」の機能低下に伴い、当然のごとく、地域集団や会社・学校などの「中間集団」と、個人の関係にも変化が生じます。

「中間集団」が個人を守ってくれるという機能は、徐々に低下していきました。

個人と「中間集団」との信頼関係が崩れつつあるのです。

両者の帰属関係がゆらいでいるのです。

最後の砦となる家族についても、核家族内での個別化が進み、家族間の関係が希薄化していくことなどから、同様の「帰属関係のゆらぎの問題」が指摘されます。

親密圏と社会圏の両方で、「帰属関係のゆらぎの問題」が露呈したのです。

 

私たちは、社会という大海原に、自分の櫂(オール)のみで船をこぎだしていかなければいけないのでしょうか。

ときにおそってくる荒波に飲み込まれないように、自分の力のみで立ち向かっていかなければならないのでしょうか。

しかし、それではリスクがありすぎます。

個人の帰属状況がゆらぐ現代社会において、個人の安定性を担保する方法はあるのでしょうか。

 

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