2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Story1-23:自分を再帰的に見つめ直す

〈本来あるべき姿の個人主義〉と〈行き過ぎた個人主義=利己主義〉のどちらの価値観を基盤において集団やネットワークが形成されていくかによって、二つの相反する社会が構築されます。 この事象は、「安定成長期」(第一次オイルショックからバブル経済崩壊…

Story1-22:二つの分かれ道

「低成長期」(バブル経済崩壊後)を迎えると、現実の生活と密接して生きていかなければならない流れが強くなっていきます。 その流れを背景にして、集団やネットワークの形成が行われる場合には、二つの分かれ道が存在します。 一つは「リアル密接社会」に…

Story1-21:目的のない若者の貯金

私が、現在の大学生のことで、ある事実に驚いたことがあります。 それは多くの学生が貯金をしているということです。 そして、その目的が何か明確にあるわけではなく、何となく不安だから、アルバイトをして通りあえず貯金をするという学生がいることです。 …

Story1-⑳:個人の再構築

人びとを安定へと導く、集団化、あるいはネットワーク化を進めていくうえで、まず取り組まなければいけないことがあります。 それは、個人の再構築です。 個人の価値観・倫理観を鍛え直すということです。 「安定成長期」(第一次オイルショックからバブル経…

Story1-⑲:新しい社会モデルへの挑戦

戦後の日本を振り返ってみると、「再埋め込み」のない状況が、現在の日本社会でも着実に進んできたと言えるでしょう。 そして、これからも間違いなく進展していくでしょう。 ウルリッヒ・ベックやアンソニー・ギデンズが唱える「リスク社会」「個人化」や「…

Story1-⑱:「モデルなき時代」に身をおく私たち

高度経済成長が終わりを迎え、「安定成長期」(第一次オイルショックからバブル経済崩壊までの期間)に入ると、徐々に個人と中間集団との関係が希薄になり始めます。 その流れが「低成長期」(バブル経済崩壊以降)に入ると、本格化します。この動きは、「再…

Story1-⑰:戦後の日本における「再埋め込み」

ウルリッヒ・ベックやアンソニー・ギデンズが言うような「再埋め込み」のない状況は、現在の日本でも進んでいるのでしょうか。 戦後の日本を振り返ることにより、確認してみましょう。 戦後の日本で、まず「脱埋め込み」と「再埋め込み」の動きが顕著にあら…

Story1-⑯:自己内省的な近代化

現在多くの人が、Facebook・Twitter・Instagram・blogなどのSNSを通じて、自分を語っています。 家族や会社の同僚など身近な人たちに、自分を語れないとなると、誰に語れば良いのでしょう。 今や、SNSという、まさしくその要望に応えてくれる媒体が存在しま…

Story1-⑮:「自分史」で語るしかない自己

アンソニー・ギデンズも、ウルリッヒ・ベックがいうように、「再埋め込み」のない状況が進展することを、つぎの内容で同様に主張しています。 伝統的で封建的な社会では、人びとは地域社会の集団や階級などの制度に組み込まれていました。 そこでの人生にお…

Story1-⑭:「再埋め込み」のない状況の進展

ウルリッヒ・ベックは、「再帰的近代化(第二の近代)」における「個人化」は、何らかの集団に「再埋め込み」されることのない解き放ちであると説明しています。 「再埋め込み」のない状況が進展するのです。 個人を守ってくれていた中間集団との関係は希薄…

Story1-⑬:「第二の近代」で「再埋め込み」は進んでいるのか?

近代化にともなう「脱埋め込み」から「再埋め込み」への動きについては、「単純な近代化(第一の近代)」と「再帰的近代化(第二の近代)」の二つの段階で説明しました。 「単純な近代化(第一の近代)」では、伝統的で封建的な制度や集団からの「脱埋め込み…

Story1-⑫:第二段階の「脱埋め込み」の発生

「単純な近代化(第一の近代)」で発生した「脱埋め込み」の状況は、近代化がさらに進むことにより、ふたたび生じます。 第二段階は「再帰的近代化(第二の近代)」によって発生した「脱埋め込み」の動きです。 ちなみに、アンソニー・ギデンズは、私たちの…

Story1-⑪:第一段階の「脱埋め込み」から「再埋め込み」へ

アンソニー・ギデンズは、近代化の進展にともなって、「脱埋め込み」から「再埋め込み」への動きが、二つの段階をへて発生したことを説明します。 まず、第一段階は「単純な近代化(第一の近代)」によってうまれた状況です。 18世紀から19世紀にかけての西…