Story1-⑬:「第二の近代」で「再埋め込み」は進んでいるのか?

近代化にともなう「脱埋め込み」から「再埋め込み」への動きについては、「単純な近代化(第一の近代)」と「再帰的近代化(第二の近代)」の二つの段階で説明しました。

「単純な近代化(第一の近代)」では、伝統的で封建的な制度や集団からの「脱埋め込み」が進み、新しく生まれた近代的な制度や集団への「再埋め込み」が実現して、人びとは安定した生活を確保しました。

それでは、現在私たちが身をおいている「再帰的近代化(第二の近代)」の社会では、どうなっているでしょうか。

この社会では、これまで説明してきた通り、「単純な近代化(第一の近代)」によって新しく生まれた近代的な制度や集団からの「脱埋め込み」が進んできました。

問題は、その後の「再埋め込み」が進んでいるかどうかです。

進んでいるとすれば、どのような形で進んでいるか。

すなわち、注意しなければいけないのは、その「再埋め込み」が、人びとを安定した状況へ導いてくれているのか、ということです。